村上華缶 拈華仏陀ノ図
インドの霊鷲山で釈尊が黙って華を拈ったとき、大衆はその意味が分からなかったが、迦葉尊者一人がその意味を理解して微笑したので、迦葉に法を伝えたという拈華微笑に取材した主題の一作。今から五年前の春、京都国立近代美術館で開催された村上華缶展は、会期中に展示替が行われたとは言うものの、総出品点数三百点を超える壮観なものであったが、その会場の中でも、代表作《裸婦図》に先立つこと二年。大正七年作の本作品《拈華仏陀ノ図》は、その後の観音像と比べてとくに特徴的なことは、ふっくらとした顔豹や表情、生身の人間のような手足の描写など、全体的に極めて人間味を持った姿として描かれており、後の霊性と官能性を合わせ持つ画境と比べると、親近感すら覚えるものである。
26×114,(43×202)
絹本着色銀泥
共箱
「村上華缶展」出陳
平成17年4月12日〜7月3日
於:京都国立近代美術館
富山県水墨美術館
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