姿を映し見る道具ですが、古代においては共同体の祭器であり、また首長の権威のシンボルでもありました。
日本の鏡は中国朝鮮からもたらされた船載鏡、それを 模して作った
製鏡、日本独特の和鏡に分けられます。 前二者は青銅製が普通で、細線鋸歯文鏡を除いて凸面鏡に作られています。また同一の鋳型で作られた鏡を同笵鏡、 製作されてから古墳などに埋納されるまで長く継続使用 されたものを伝世鏡と呼びます。 鏡の裏は鈕(ちゅう)があり、その周囲に文様が鋳出されていますが、 この文様によってさまざまな形式に分類され、生産地や時期を 知る手がかりになります。和歌山県隅田八幡宮所蔵の
製鏡 は紀年銘を持つものとして有名です。