[かきつばた硯蓋]
永田友治
江戸時代中期頃
33.1×26.2×2.6(H)cm
共箱入
永田友治は京阪を跨いで活躍した塗師・蒔絵師。尾形光琳に私淑して琳派風の作品を多く遺し、また光琳が『青々』と号したのに対し自身も『青々子』と号した。
幕府が元禄年間に布いた倹約令の下、友治は金・銀をはじめ様々な色の合成漆を開発し、江戸期の遊郭や料亭などでは『友治盃』と呼ばれた友治のカラフルな蒔絵の盃や盃台が人気を博した。
友治作品に多い青漆刷毛目塗が施されたこの硯蓋は、光琳風の燕子花が金色や錫色また銅色を使った『友治上げ』と呼ばれる技法で描かれており、蕾は螺鈿がされている。また口縁は朱で塗られており、所謂「爪紅青漆」のスタイルは友治作品には珍しい。