[蝸牛画絵御本水指]
陶:五代清水六兵衛 (1875-1959)
画:奥谷秋石 (1871-1936)
真塗蓋:十代中村宗哲 (1862-1926)
口径 10,4-11,8 x 高さ 18,2 cm
六兵衛・秋石 共箱(十一代宗哲識)
清水六兵衛が得意とした御本の水指に、四条派の画家・奥谷秋石が蝸牛を描いたもの。
青みを帯びた肌にぽつぽつとあらわれた鹿の子状の赤い斑紋が雨のようで、また口部から流された白い幕釉は水が滴り落ちているように見える。そんな雨模様の中をのっそのっそと二匹の蝸牛が這っている様子は、我々に梅雨の情景を思い浮かばさせる。正面と客付側に絵を配しているのがうれしい。
強弱の轆轤目をつけた口すぼまりの形状は、運びの時の持ちやすさ・畳や棚に据えた時の姿の美しさなど全てを兼ね備えている。また尼宗哲の真塗蓋は清浄を感じさせる。
紫陽花の色絵のものや染付・祥瑞などにも良く合いそうで、取り合わせが楽しみな逸品である。